305号室 / ”よさ”の感覚とイメージ

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こんにちは、坪井です。本日はお忙しい中、お立ち寄りいただき大変ありがとうございます。

展示空間は、大きく引き伸ばされたモノクロの写真が3点(たくさんの筋、何かの塊、何かが散在している様)、箱に黒い棒のようなものが幾本か突き出た物体がある一角、一部塗りつぶし、切り抜き立体的にした写真を平面上に組み立てた一角、木立、洗いもの籠に一杯になった食器類、駅のホーム、公園、各種出入り口が映された写真と、複製された無数の昆虫、ゴリラ、ロボット、細胞のイメージ、脳内の神経伝達構造像が壁一杯に張り出された一角とから構成されます。

日々を過ごすなかで見たり感じとる”よさ”(美的快)があります。それらをその都度撮影して記録しています。この”よさ”を大事にし、活用し、より一般性のある形で通用させられないかと考え、試みをしています。はじめて10年程になりますが、抜けのある空間、集合/分散、道具/装置、材の様態が主な対象へと集約しつつあります。同時に、他の学的方法が参考にならないか検討しています。最近はサルの生態研究、ロボット工学、分子イメージング、基礎物理学など、新たな科学的知見に注目しています。現在までの成果をご高覧くださいませ。よろしければコメントいただければと存じます。

今回、日々のスナップショットを直接的に素材として用いたため、よりいっそう既存の文法ではなく自分のちゃんとやる感だけをたよりに完成とすることを余儀なくされた感が強くあります。わたしは実利性を好むので、ほんとうにそれだけを担保に作業し、公開してご覧いただくことに、非常に責の重さを感じます。今後も精進し、なんとか形にしていきたいと思います。