202号室 / 高揚と様式

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展示空間は、3つの像;揺れる木の後ろで瞬く光、移動してゆく模様の上で瞬く光、異なる速度で流れてゆく色と形、および複数の異なる拍子の音により構成されている。3つの像は、白い箱にいれられたり、室外から投影されたり、白い柱に留められたりしている。3つの音は、時折四方から聞こえてくる。

制御について考える。わたしの。わたしはわたしを制御している、残念ながら。何を食べるか、誰と会うのか、どこにいくのか、何をするのか、を設計することで、事象は発生していき、わたしは感覚していき、ときに感情で応じる。究極的には私は処理しているにすぎないともいえる。常に不定である外部がこの設計の変更を迫る。なので外部に高揚し、外部を求める。

外部と連携しつつ、わたしがわたしを統合して制御する存在である以上、その構造と機能を把握して適切に活用するほかない。果たしてどのような構造と機能になっているのか。唐突だがわたしの最小単位である分子細胞レベルに注目したい。というのは、わたしたちの現実感(意識)という状態も、この細胞レベルでの形態と機能が高次に構造化されて達成されているものであるから、この現実感について、科学での知見を参照しつつも美術という方法で独自に迫りうると考える。

今回は、わたしの拾った断片を、外に構造化することを試みた。像については、拾った断片について、わたしの身体感覚を使って判断して必要な要素に絞り込み、連関するものを探り、強調している。音についても当初拾った断片を組み合わせていたがまだ力が及ばず絞りきれなかったため、像を補完する方向で、そのときわたしの中にあったリズムを取り出している。バッハを参考に、異なる単純なリズムを複数単発的に組み合わせることで空間に構造をもたらすことを試みた。